11月の初め、「ジャパンファニチャーショー」という、国産家具メーカーが共催するイベントが東京の各ショールームで開催されました。
そこで、旭川の高級木工家具メーカー「匠工芸」とヨーロッパの高級テキスタイル(生地)を輸入している「チェルシーインターナショナル」がタッグを組んで、特別な張り地を張ったスペシャルバージョンを発表して発売する事になったのですが、その張り地のセレクトとイベントのプロデュース、ショールームの空間デザインを越川と日本を代表する人気インテリアコーディネーターの三宅利佳さんがタックを組んでさせて頂く事になりました。匠とチェルシーのコラボと越川と三宅のコラボがコラボするという、なかなかカオスな状況でw
今回結成された三宅利佳と越川洋平のデザインユニットは、「ハイパークリエーションRY」(リカとヨウヘイでRY)という、超絶ダサいユニット名をあえて掲げて、高級ブランドのイメージを斜めから見直す所から取り組みました。ただ良い物を作るという事だけでなく、そこに少しの驚きや意外性を入れる事で、新しい魅力を引き出そう、という試みです。リカさんとは長い付き合いで、デザインの思考とか良くわかっているし、同じ方向性ながらもボクに無い物をたくさんお持ちなので、めちゃくちゃ仕事がしやすいし、一人ではできない事ができるので、すごくスムーズに良いデザインができたと思います。
今回から数回に分けて、その展示を紹介していきますので、お付き合いくださいね。


↑ ビフォーです。表参道にある、チェルシーインターナショナル青山ショールームの元の状態なのですが、ここにRYがセレクトした生地を張った家具たちを並べるという、9日間のイベントです。

↑ 先ずは、今回の展示の全体テーマを「旅するインテリア」にしました。
この手の展示会やデザインのテーマとしては、すごくベタなタイトルだし、わりと王道ではない変わったデザインを得意としている越川と三宅がそれ?って思われるだろうな~、と話していたけど、あえてのこれなんです。ベタなタイトルでも、ちゃんと面白く、新鮮な世界観を出しますよ~。
具体的には架空の人物「ミスターK」を設定し、旅好きな自由人の暮らす家と旅先のインテリアを想定して、それぞれのエリアごとにテーマを作って展示しました。
今回ご紹介するのはこちら。


↑ このTERRIER CHAIR というチェアのクッション部分だけをドイツの高級生地、チマー&ロード社の生地を張るという事なのですが、このチェア、めちゃくちゃしっかりした作りで座り心地も凄く良いのだけど、見ようによってはディレクターチェアっぽくて少し軽く見えてしまったり。だから張り地で大人っぽさと高級感を加えて、大人な高級リゾート感、ちょっと夜っぽい雰囲気を出したかったんですね。
で、まぁここからはメイキングの模様です。

↑ ショールーム全体で、大小合わせて30鉢以上の観葉植物をレンタル。その搬入から手伝いました。

↑ 何でそんなに笑っていたのかは覚えてないけど、チェルシーの高部さんと3人で大爆笑。
イベントのデザインは楽しいものなんです ♪

↑ ライティングも凄く大事だけど、ここのエリアは「旧友と語らうリゾートの夜」というテーマなので特に大事。スポットの数と角度にこだわりぬいて・・・、

↑ いー感じの影ができたんじゃない?

↑ 頭が当たらない様にしないとね~、とか、あれこれやりながら微調整。
もちろん、基本的には予め配置やデザインは作ってあるけど、最終的には現場で大きく変わっちゃったりする物です。

↑ 完成!昼間なのに夜を表現するのは大変なのだけど、葉っぱの影が良い仕事をしてくれました。
大きなトラのぬいぐるみで、ジャングルの危うさがスパイス的に表現できたと思うのだけど、このトラは越川の実家にあった私物です。
張り地はチマー&ロードのベルベット調の光沢のある生地で、エレガントに振ってます。高級感が醸し出されているの、わかります?
今回はここまで。次回に続きます!