文: 越川洋平 株式会社オーブインターナショナル代表
インテリアスタイリングプロ元代表(~2024年)
カーテンのブランドは世界中のどの国でも、二大ブランドの様なブランドがあって、それぞれ特徴があります。もちろん、人によって挙げるブランドは異なるし、何を基準にするかにもよりますが、例えばフランスで言えばピエールフレイとカサマンス。ドイツだとJAB(ジャブ)とチマー&ロード。イギリスだとちょっと難しいけど、サンダーソン・デザイングループは間違いなくトップブランドで、もう一つは迷う所だけど、アシュレイワイルドグループかな?どちらもウイリアムモリスのデザインを取り扱っているのが面白い所だけど。そんな中で、スイスでは間違いなくフィッシュバッハ1819(フィスバ)とクリエーションバウマンが二大ブランドと言えます。
フィスバ(FISCHBACHER1819-フィッシュバッハ・エイティーンナインティーン)
1819年にクリスチャン・フィッシュバッハ氏がスイスのサンガレンで創業したのが起源で、200年以上続くファミリーカンパニー。代々、長男であるクリスチャン・フィッシュバッハ氏が受け継ぎ、現在の5代目社長は次男のマイケル・フィッシュバッハ氏が務めている。
日本ではベルベットのイメージが強いけど、実はモダンでクリエイティブなブランドです。これには訳があって、約50年前に「日本フィスバ」を立ち上げて日本市場に参入する際、先ずは百貨店で高級輸入カーテンとして販売する所からはじめる為に、わかりやすい高級カーテンとして、ヨーロッパの上質なベルベットを中心に展開し、それが人気を呼んで有名ブランドとして成長しました。その当時の日本のカーテン市場はまだまだ黎明期で、モダンでクリエイティブな高級カーテンなんて売れないものだから、この戦略はもの凄く正しかったのだと思います。
現在のちなみに、フィスバという名前は日本だけで、クリスチャンフィッシュバッハ社の日本法人が日本フィスバという社名なので、日本ではフィスバという名前が定着しています。一昨年の2024年に、本社が創業以来初めて改名をして、FISCHBACHER 1819(フィッシュバッハ・エイティーンナインティーン)となりました。
いつも独創的で上質、デザインの奥に知性が見え隠れする素敵なテキスタイルブランドです。また、社長のマイケル・フィッシュバッハさん、その奥さんでクリエイティブディレクターのカミラ・フィッシュバッハさん共に越川も仲良しで、特にマイケルさんは日本語が堪能という事もあり、親しくさせてもらっています。マイケルさんは何と8か国語も喋れるんですよ~、凄いですね。
CREATION BAUMANN (クリエーションバウマン)
1886年にスイスのラングンタールで創業、こちらもバウマン一族が経営を受け継いでいるファミリー企業です。現在の社長はフィリップ・バウマン氏。日本ではバウマン・ジャパンが代理店。
モダンでシンプルなデザインを得意としていて、とにかく「上質な無地」を探している方には、先ずこちらをお勧めしたい。また、ヨーロッパのブランドとしては珍しく、古くから機能性の高いカーテンにも力を入れていて、遮光カーテン(以前の欧米では珍しかったんです。基本的に遮光させたい時は、遮光の裏地を付けるのが一般的で、表地と裏地を一体化した遮光カーテンというのは珍しかったんです)や、遮熱レース、吸音レースなど、ちょっと日本的とでも言える位高機能なカーテン生地が多く揃っています。高機能カーテンと言っても、どれも美しく、ドレープ性も良いというのが日本のそれとは圧倒的に異なります。
また、バーチカルブラインド(縦型ブラインド)にも定評があります。
日本のバーチカルブラインドは、幅広く織った生地を細長く切り出してスラット(羽根)を作っているのに対し、クリエーションバウマンでは、はじめから127mmで織る機械を使って織っているので、仕上がった際にねじれが少なく、美しいラインを保ってくれます。もちろん色数が多いというのも人気の理由の一つです。
日本のオーダーカーテン、輸入カーテンの市場でも二大ブランド
いかがでしょうか、フィスバとクリエーションバウマン。どちらも日本のオーダーカーテン、輸入カーテンの市場でも二大ブランドと言える人気ブランドで、ご存じの方も多いと思います。どちらも青山にショールームがあって、どちらも南青山。フィスバの最寄り駅は青山一丁目駅、クリエーションバウマンの最寄り駅はの表参道駅。ぜひ一度ショールームでカーテンのサンプルをご覧ください。フィスバはラグにも定評があって、ポルトガルのアルデコ社の代理店もやっています。