【第9話】旅する意味を考える

     

ナポリに入って4日目の夜です。明日パリに移動するのでナポリでは最後の一日。今日は朝から部屋にこもって取材した情報の分析と、業界紙の執筆などをしていました。

   

なんだかんだで歩き回っている毎日だったので、そろそろ体も疲れがたまっている頃。パリに行ってからは毎年のようにタイとスケジュールになって忙しくなるから、この辺りで休養を取っておく必要があります。

  

今年のトレンドを分析していて、ふと、15年目になるこの旅の意義を考えました。

   

中心となる消費者の世代がX世代(1965年生まれ~1980年生まれ)からY世代(ミレニアル世代とも言い、1981年~1996年生まれ)にシフトしているという事が、様々な物事に大きな変革をもたらしているというのは前述の通りなのだけど、X世代ど真ん中のボク(1972年生まれ)としては、いろいろ思う事があるんですよ~。

    

展示会の取材、サンプルの買い付けという基本的な仕事の他に、こちらで時間の許す限りできるだけローカルに過ごし、いろいろ見聞きする意味を改めて自己分析してみようと真面目に考えてみました。

   

グローバル化、国境という概念の希薄化がますます進んでいるのだけど、ボク自身、海外に居住したこともないし、それほど海外経験が豊富なわけでもない。だからその穴を少しでも埋めよう、という思いがあります。

だからこんな路地裏のアパートメントをセレクトするし、

   

そこに行くには、こんな所を通って・・・、

  

スーパーで買ってきた食材で自炊もするし、洗濯もする。

  

家中のヒーターで洗濯物を乾かしているところ。暑いから窓前回だけど(笑)

なるべくタクシーは使わずに、移動は電車で。

  

ナポリの電車は、中はわりときれいだけど外観は超絶汚い!

そうやって過ごしているうちに、ドメスティックな思考が薄れて、段々と、少しずつながらグローバルな思考になっていくんですよ~。

一度そういった所に自分(の思考)を持って行って、あらためてデザイントレンドを分析すると、日本に居ながらでネットで調べた情報を得るだけとは見え方が確実に大きく変わってきます。

世界中のクリエーターが同じ事を言っているから今更なんだけど、すっごく大事な事だと最近つくづく思うようになりました。

  

だからね、

  

紀元前の遺跡(ポンペイ)を見る事や、

  

今日のランチ。トリップアドバイザーでナポリで4位というお店のスパゲッティーニは美味しかった♪

その土地の美味しい物を食べる事だって、全て意味がある。

  

だから税理士さん、それら全て経費にしてください(笑)

  

そうそう、今日は基本的にデスクワークだったけど、気分転換にランチに出て(上の写真のパスタ)、そのついでにドォーモを見てきました。

  

13世紀に設えられた、本物のバロックの荘厳さに圧倒されました。フランスの寺院やドイツの大聖堂と違うのはもちろん、フィレンツェやローマなどとも全然違う力強さがみなぎっているんです。

  

でね、

   

17世紀に地震があって崩れたから、バロック式に修復されたという聖堂を見て思ったんです。昨日見たポンペイのテルマエの天井も同じ流れだなって。

   

そりゃね、前回も言ったけど、2000年も積み重ねてきているヨーロッパの文化は、

   

やっぱりすげー!

 

ちなみに昨日はランチを遅い時間に食べすぎちゃったので、夜はスーパーで買ってきたプロシュートなんかをつまみながらビールやワインを飲んだだけだったから、今日のディナーはしっかりとリストランテで。イタリアに住んでいた友人が、是非にと勧めてくれたお店に行ってみました。

  

伝統的なナポリ料理で、わりと田舎っぽいのだけど素朴で美味しかったですよ。コースだと多すぎるからアラカルトで。ちなみにこれはエビのタルタル。白ワインにぴったりでした。

   

あのこれ、ドラマ「グランメゾン東京」で、キムタクが本当に美味しい物を食べた時に上を向くってやつのマネのつもりなんだけど、自撮りだとちと違う(笑)。

いやいや、自撮りだからではなくてそもそもモデルが違うんだって!っていうツッコミは胸の中にしまっておいてください。結構傷つきやすいんで。

  

という事でナポリの滞在も終わり。明日はいよいよ最終目的地、パリに移動します。

ではでは!