【第12話】パリ・デコオフ

    

パリに来て5日目の深夜0時です。

毎年の事ながら、パリに来ると大忙し!朝から取材に駆けずり回って、毎晩パーティーやらレセプションやら日本人同士の集まりやら。そこに来て原稿の締め切りとかもあるから本当に大変なんです。長旅の最後という事もあり、体力的にも精神的にも結構つらかったりで。

   

昨日は大勢の日本人で集まって、とある人のホームパーティーだったのだけど、日頃忙しくて日本だとなかなか一緒に集まれない人たちが一堂に会する、すごく有意義で楽しい時間でした。

   

でも、一昨日位から一人、また一人と日本に続々と帰国していって、ちょっとずつさみしくなっていくパリ。

   

この感じがまたいいんだよね~、って言えればかっこいいんだけど、ボクは苦手。やっぱり寂しくなっちゃうの。さっきも仲良しの石田さんとかとご飯食べていて、「じゃ、また日本でね!」って握手して別れるの、寂しかったし。

    

そんな気分のラストナイトです。

  

という事でここ数日このブログもアップできなかったけど、これから帰国した後もキッチリお届けします。

   

今回はパリ・デコオフのお話。パリ市内のショールームで90ブランド以上の世界中のカーテンのブランドが一堂に会する世界で唯一の展示会です。そこで見た今年の傾向を簡単にダイジェストでお届けします。

くどい様だけど、プロの方向けにはセミナーで詳しくご説明するので、ここはあくまでも一般の方々向けのダイジェストとしてご覧ください。

    

ピエールフレイ(フランス)

先ず今年の特徴として挙げられるのは、「無国籍感」。異国情緒漂うし、どこかの国っぽいんだけど特定できない感じ。あるいはミックス感。このトレンドは今年のど真ん中にあると見ています。

  

クリスチャンフィッシュバッハ(スイス)(日本ではフィスバでおなじみ)

それでも、今年もまたいくつかの国や地域にスポットが当たっています。

その一つ目が中南米。4年前のリオオリンピックの年にもスポットが当たっていたけど、今年も再び来ました。やっぱりヨーロッパの人達からすると、プリミティブで素朴な魅力があるのだと思います。

  

ハーレクイン(イギリス)

アフリカン・エスニックも健在で、幾何学をはじめ「サファリ・ムード」、「ジャングル・ムード」として様々な動物柄が出ていました。中でも今年特に目立ったのがゼブラ(シマウマ)。で、その中でもこの生地、すごくないですか?超ゼブラ(笑) しかもこれ、織物なんですよ。シマウマだけで埋め尽くされた織物って、面白すぎだし魅力的。

あ、そうそう、こんな感じでモノクロームの色づかいも今年のトレンドの一つ。

   

ジムトンプソン(タイ)

ラグジュアリー系トロピカルも健在で、本当に多く見られました。今年は全体にラグジュアリーにシフトしている流れから、上質感を醸し出す色使いのプリントや刺繍でゴージャスな生地などが目立ちました。

    

ルリエーブル(フランス)

アールデコとバウハウス・イメージも良く見られました。同じ時代を彩ったこの2つは、結果的に似たデザインでも思想が違う所がまた面白い。いずれにしても、全体がラグジュアリーに向かっていながら、幾何学がもてはやされている今は、外せないテイストです。

    

ガストンダニエラ(スペイン)

東京オリンピックイヤーだからね、やっぱり日本はフィーチャーされていましたよ。あちこちで「ジャポネスク」が見られました。でも西洋人にとっては中国も日本も似たようなもの。ボク個人としては、そのごっちゃになっている感じがまた面白いんですよ。

   

西洋人にとっては、やっぱり日本は神秘的な世界なんですね。ある意味プリミティブ。そう思って描かれたデザインが、今の日本人に無い感覚ですごく魅力的に見えちゃうんですよね~。

  

デコオフ全体のテーマの一つが、優雅なリゾート。世界的に先行きが不安視されている今、この優雅なマインドを持ちたいもの。スキー場のゴンドラも、豪華な生地が張られていて、実に贅沢。ゴンドラ自体に貼られている石のような模様の生地は、イタリアのムラーノガラスをイメージしたという生地で、ルべりというハイエンドなブランドの物。

    

友人でもある著名なコーディネーター、飯塚奈津子さんと。

もう一つのテーマとしては、環境問題。本当にもうやばいよ!というメッセージ発信しています。

広場に特大の椅子があって、、インスタ映えする記念撮影スポットとして置いてあるのだけど、そこに張られている生地は海洋汚染に対するメッセージ。

海洋汚染の中で、人間にとって最も深刻な問題なのが「マイクロプラスチック」問題。様々なプラスチックが、決して自然に返る事のない永遠に残り続けるプラスチックのゴミは、都市の河川から流れて海に出て、月日が経つと目に見えないほど粉々になるのだけど、存在し続ける。それを餌と一緒に小魚が食べ、大きな魚がそれを食べて、その魚を人間が食べている。どこかの検証では、人の体からそういったプラスチックの成分が見つかっているそうです。

   

それってやばくない?

  

そういった事へのメッセージが込められています。

    

そうそう、この飯塚さんとの2ショット写真、違うエリアに送迎してくれるシャトルの発着場なのだけど、一緒に移動する車を待っている時に、係の女の子が夫婦かカップルだと思って気を利かせて、頼んでも無いのに「そこで写真を撮ってあげるから、携帯を貸して!」って言うの。

    

それってね、フランスにしてはとんでもなく気が利いててびっくりしたの。

おかげ様で、コーディネーターとして著名で美人な飯塚さんと2ショット写真を撮れてラッキーでした(笑)

     

明日は帰国日なのでUPできないけど、このブログはまだ続きます!