「切り返し」という技【その2】

カーテンの切り返し

   

今回は2番目にベーシックな切り返しの方法として、「カーテンの縦切り返し」を紹介します。

   

カーテンは元々巾継ぎと言って生地を横方向にジョイントしていく物だから、前回ご紹介した「横切り返し」は一番ベーシックな技法としたけど、今回の「縦切り返し」はわざわざジョイントするので二番目としました。でも、これもまた簡単な技法ではあるんですよ~。

  

先ず一番簡単なのは、この様に色違いの生地を縫い合わせる方法。これなら簡単ですよね?でも単色で作るよりずっと魅力は増します。
ベースの色に対して、この様に上部に足しても下部に足しても良いのですが、経験上から言うと、

   

腰高窓は上部に足した方がきれいな場合が多いです。

   

こちらは3色使った例。

  

こちらは美容院ですが、これも3色。色や質感だけでなく、その3色の組み合わせ方でいろいろなテイストが生まれます。というより生み出します。
こちらは「フレンチポップ」をイメージしてデザインしたのだけど、フランスっぽいでしょ?使う色の組み合わせ方次第なんです。

   

こちらも3色ですが、間の色はごくごく細く、考え方としては2色の切り返しの間にアクセントとしてラインを入れる感じで。間の色は光沢のあるゴールドで、カジュアルになりがちなデザインを少しラグジュアリーに引っ張って、トレンド感を出しているんです。
それとまた、2面ともトロピカル柄のプリントだと圧迫感が生まれるので、腰窓の方は無地系をメインにして抜いてます。

   

これも生地返しの手法としては同じですが、ヒダをギャザーにして「耳立て」をする事で、エレガントさを演出しています。
ヒダの取り方の演出方法は、また別の機会に紹介しますね。

   

こちらは柄+柄の組み合わせのキッズルーム。柄と柄を組み合わせる場合は、基本的には有機的なデザインと、幾何学模様やストライプなどの無機的な柄の組み合わせが納まりが良いです。もちろん色のつながりを意識するのだけど、柄の中のどこかの色を拾う事と、メインの色より少し強い色をサブの方に使うと上手くいきます。

   

こちらは柄の生地をポイント使いして、残りを無地で間引いた例。この柄はものすごく緻密な刺繍なのだけど、全体だとうるさいしコストもかなりの物。こうするとサッパリと使えますね。
トップはゴブレットプリーツというヒダの取り方をして、クルミボタンでアクセントをつけていますが、それもまた別の機会に紹介します。

   

柄と無地の間にターコイズで細いパイピンを入れてます。もちろんデザイン上のアクセントという意味もありますが、今回使ったこのサテンという生地はジョイント部分がシワシワになるので、それを隠す意味もあります。

   

そんな感じで、手法としては簡単なのだけど、きれいに納めるにはそれなりの経験と知識が必要になります。必ず経験と知識のある専門家に相談してくださいね。

切り返しのバリエーションは、まだまだあるので、また次回以降に紹介します!   

   

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