6.レースカーテンのトレンド

フィスバの幾何学柄のレース

 

レースカーテンにも、素材やデザインのトレンドがあります。ファッションと違ってインテリアのトレンドは、10年位かけてゆっくり流れて行くものですが、今現在の世界と日本のトレンドの中から、特に日本でお勧めしたいレースカーテンのトレンドをご紹介します。

 

1.幾何学柄 (ジオメトリック)

 

柄で言えば、先ずは幾何学柄が挙げられます。これはドレープにも言える事で、大胆な幾何学柄からニアリープレーンと呼ばれる、無地に近いけど少しだけ柄が入っている、という種類の中でも人気です。

 

 

クリスチャンフィッシュバッハの幾何学柄のレース

一番上の画像をアップにしたところですが、上下で柄の大きさが切りかわり、更にカラーも裾に向かって段々と濃くなるグラデーション。非常に手の込んだ上質なレースで、落ち感が良いので大きな窓にもお勧めです。(落ち感が良い=ストンと自然で奇麗なヒダが出る事)

スイスのクリスチャン・フィッシュバッハ製(日本フィスバ)ですが、ケニアに伝わる伝統的な民族柄にインスパイアされた柄。モダンとエスニックが融合されたデザインで、上質な空間を演出できます。

 

 

幾何学柄のレース

生地自体がメッシュで、大柄な幾何学柄が織り込まれたトレンド性の高いレース。トルコのハマム(公衆浴場)の建築で伝統的に使われている模様で、この柄の大きさと質感の高さで、オーブでもトップクラスの人気柄。ポルトガルのアルデコ社のレースになります。

 

 

幾何学柄のレースカーテン

柄がアップリケの要領で縫い付けられた、立体的な幾何学柄。こちらも大きなパターンが特徴で、のびやかな印象があります。

 

 

2.グラデーション

 

絞り染め風やグラデーション柄は、世界的なトレンドでもあります。例えば全体が青いレースを窓に掛けると、差し込む光も青くなって、お部屋全体が青い色になりますが、裾だけに色が入ったグラデーションだと、差し込む光は白い部分を通るので、ほとんど光の色を変えずに色を加える事ができます。

 

 

グラデーションのレースカーテン

ぼんやりと裾の方だけ黄緑色が入ったレースカーテン。元々、多くの色を使っているお部屋ですが、全体がグリーンだと多すぎるし、真っ白でも寂しいし。これ位がちょうど良いんですね。

 

 

グラデーションのレースカーテン

良く見ると複雑な幾何学柄なのですが、全体にグラデーションのレースカーテン。

別の回でもお話ししたけど、裾の方に色が入ったグラデーションは、バルコニーの柵を隠して遠くの景色は邪魔しない、という所から、日本の住宅事情にもよくマッチしているので、益々人気が高まりそうです。

 

 

3.麻のレースカーテン

 

カーテンに使われる麻の多くは、リネン(亜麻)という麻の一種なのですが、リネンに限らず麻の多くは、水をやらなくても育つし、農薬も要らないし、成長も早いので非常に環境にやさしい素材として欧米を中心に見直されています。しかも吸湿性があり、丈夫で長持ち。家庭の洗濯機で洗濯はできないけど汚れにくいので洗濯がほとんど要らない所も助かります。

我が家でも吹き抜けの窓に使っていて、掛けてから12年経ちますが、全く洗濯して無いけど奇麗なものです。

 

麻のレースカーテン

麻は繊維が太いので、透けにくいのも特徴です。それと注意しなければならないのは、ポリエステルの様に「ウエイトロック」という裾の処理をしてしまうと、外れやすいのでNG。

上の画像はウエイトロックと同じ様に見えるけど、重いヒモを生地で巻き込んで、その際を縫い留めた上で余った部分を切り落とす「ウエイト細巻き」という仕上げ方。

ウエイトロックよりは少し硬くなってしまうけど、これなら安心して使えます。

 

 

4.メッシュ

 

これは特にヨーロッパでトレンドになっていて、言うなればトレンドの最先端。フィッシュネットと呼ばれる無地の様なメッシュや、ランダムな柄など様々なタイプがありますが、全体的には透けやすいのが特徴なので、しっかり目隠しをしたい場所には不向きです。

 

 

メッシュのレースカーテン

メッシュの中でも特に人気なのが、シャンパンゴールドの色。ラグジュアリーな雰囲気が漂う上質感が、確実にお部屋のグレード感を高めてくれます。

室内からも外からも見えやすいので、外からの視線が気にならないマンションなどにお勧めです。(ポルトガル製)

 

 

フィスバのシャンパンゴールドのメッシュレース

こちらもシャンパンゴールドのメッシュのレースで、先ほどの物より少し目が細かい生地です。

ストンと落ちる落ち感が良い生地なので、大きな窓に最適です。反対にゴワゴワした生地に形状記憶加工で無理やりヒダを付けた様な物は、見た目にも重さや固さが表れるので、大きな窓に使うと圧迫感が出てしまいます。少し高価にはなってしまうけど、落ち感の良いレースを選びたい所ですね。

スイスのクリスチャンフィッシュバッハ製(日本フィスバ)

 

 

5.遮熱レース

 

地球温暖化や省エネ志向などで、益々注目度が上がっている遮熱レース。特に日本では年々増えていて、質の良い物が増えたのはうれしいところ。

遮熱する手法にもいろいろあってるので、代表的なものを紹介します。

 

①ウェーブロン

特殊な断面を持つ糸で織り上げた生地で、紫外線、赤外線を反射します。透け感が少ないので、景色はあまり見えなくなります。

生地によってはギラついて見えるので、注意して選びましょう。

 

②遮熱糸

いくつか種類がありますが、一般にセラミックなどを繊維内に閉じ込めて紡糸された糸で織られたレースで、やや透け感が少なくなりがちですが、比較的自然な風合いの物が多くあります。

 

③スパッタリング

ステンレスなどの金属の微粒子を生地の裏側に吹き付けて、赤外線と紫外線を反射させる生地。得意としている日本の工場があって、海外にも輸出されています。

レースならではの透け感と高い機能性を併せ持つので、意匠性が高いレース。

 

スパッタリングの遮熱レースカーテン

裏から見るとキラキラしていますが、上品な艶感の物も多くあります。

 

⑤ミラーレース

光沢のある糸を裏側だけに出る様にして織られたレースカーテン。安価なので、日本では最も多い遮熱レースですが、見た目にも安っぽく見えるので、個人的にはお勧めできません。

ただ、最近は見た目が奇麗な物も出てきたので、よく注意して選びましょう。

 

 

6.スパン糸

 

隠れたトレンドと言って良い、スパンボイルとも呼ばれるレースカーテン。毛羽立った糸で織られた無地の織りレースで、通常のボイルレースよりナチュラルな風合いで、差し込む光が柔らかいのが特徴です。糸の毛羽が折り目の隙間を塞いでくれるので、ある程度の遮熱・断熱効果が期待できます。

見た目も奇麗だし、機能的で安価なので無地系ではお勧めです。

 

スパンボイルレース

つるつるのレースより、優しい光が差し込みます。

 

 

「プロが教えるレースカーテンの選び方」は、以上になります。ご質問などありましたら、いつでもメールをくださいね。

ありがとうございました!

 

 

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