レースカーテンの役割と聞いて先ず思いつくのが、「目隠し」ですね。もちろんそれもありますが、他にもいろいろな役割があるので、ご紹介します。
ざっくり挙げると、主要な所だけでも・・・、
1.遮熱と紫外線カット
2.冬の断熱
3.光のコントロール
4.色・柄だけじゃない!装飾性
などがありますが、意外と知られていない事もあるので、それぞれ解説しますね。
1.遮熱と紫外線カット
暑い暑い夏の昼間、日差しは取り込みながらも、紫外線と熱(赤外線)だけはブロックしたいですね。普通のボイルレースなど、きめの細かいレースであればある程度ブロックしてくれるし、スパン糸など、けば立った糸で織り上げたレースは、より隙間が少ないのでブロックしてくれます。なので、何も掛けないよりは大分良いですが、より遮熱とUVカットに特化した生地が多くのメーカーからたくさん発売されています。ほとんどの国産メーカーから出ていますが、海外ではほとんど見られないし、あっても日本から輸出されている物だったりします。その辺りの機能性に関しては、日本はNo,1と言って良いですね。
で、気になる効果はどうなのか。様々なテストをしているメーカーもあるにはあるけど、商品によっても違うし、データを見ても今一つピンとこないのが正直な所ですが、肌感覚として2~3割は向上している感覚はあります。
もちろん、地厚で透け感が少ない物の方が効果が高い物が多いので、見た目とのバランスでセレクトしましょう。
2.冬の断熱
薄いレースでも、あるのと無いのでははっきり違いがわかるほど断熱効果はあります。特にきめの細かい織りのレースは、窓と生地の間に空気の層を作るので、大きな効果が見られます。
なので、何でも良いから先ずは掛けるのが一番。
その上で更に効果が高い物を挙げると、これもやはりスパン糸と言って、毛羽立った糸を使って織り上げたレースが良いですね。中でも、少し高価にはなりますが、ウールをミックスした生地などは非常に高い効果が見込めます。
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ウールを使ったレース生地は、こうやってシャープシェードに仕立てても柔らかい質感が見て取れます。
それとレースにしては高い断熱効果が見込めます。
ただ、それなりに遮蔽性が高い(透けにくい)ので、眺望を楽しみたいといったロケーションには不向きです。
3.光のコントロール
先ず「ローグレア」と「採光拡散」の2つのキーワードを紹介します。
一つ目にある「グレア」とは眩しさの事で、眩しさを軽減しましょう、みたいな意味です。ローグレアを求めると当然透け感も少なくなるので、眺望とはトレードオフの関係になります。
二つ目の「採光拡散」については、先ずこちらの画像をご覧ください。
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左がレースを掛けたお部屋の写真で、右は何も掛けていないお部屋の写真ですが、それぞれの写真の右上の壁と天井に注目してください。明らかに左の写真の方が明るくないですか?これが採光拡散の機能なんです。
それと床に映る光に注目してください。右の方はくっきり、左はぼんやり。簡単に言えば、この分の光が部屋全体に散らされているのです。
なので、何も掛けないとストレートにくっきりした光が差し込むのに対して、採光拡散性が高いレースを掛けると部屋全体に光が分散されて、優しい光に包まれた空間になります。
一般的には、直射日光が当たる所は眩しすぎ、当たらない所は暗く感じるもの。レースによって、ちょうど良い光がお部屋の隅々まで届けられます。
もちろん採光拡散の機能に特化した生地を選ぶのも良いですが、そうでなくても、きめの細かい織りのレース(糸と糸の隙間が少ないレース)であればその機能が期待できます。
4.色・柄だけじゃない!装飾性
これが一番大事な所なのだけど、先ず知っておいて頂きたいのは、インテリアデザイン的には何も手を施さない窓を残さない、という事が大切です。
ありがちなのは、「小窓はスリガラスだし、カーテンは付けなくて良いや~」っていうパターン。リビングや寝室などはカーテンやブラインドを付けても、廊下や階段などはそのままにしてしまうケースが良く見られます。
確かに目隠しの機能的には要らないかもしれないけど、デザイン的に「未処理の窓をそのまま残す」というのは好ましくありません。寒々しいし、夜は真っ黒だし。
そんな時にお勧めなのが、突っ張り棒+レースカーテンです。
シーン別に、いくつか事例を紹介しますね。
◆キッチンの小窓
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イエローのカラーレースを突っ張り棒に通して掛けているだけですが、こちらは「スタイルマグネット」という物でたくし上げて飾っています。
◆階段の小窓
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大抵は北側にあって、暗くなりがちな階段の小窓にこそ、明るい色のレースカーテンが効果的です。
◆玄関や廊下
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こちらは麻のカラーレース。繊維が太い麻素材は、ざっくりしたナチュラルな印象と、クタっとした優しい質感が特徴で、何より見た目の質感の高さが素敵な生地です。
その特徴を生かす様に、ギャザーで仕立てました。
第一回の今回は序章として、レースカーテンの役割と機能についてお話しましたが、これから掘り下げたお話をUPしていくので、定期的にチェックしてみてください!
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