カーテンの丈、何が正しいの?-その1-

今回は基本的な様で実はかなり奥が深い、掃き出し窓のカーテンの丈の長さのお話です。プロ向けのセミナーでもよくお話する事だし、質問も良く受ける部分なんですよ~。

  

一般的に日本では、床から5~10mm上げが推奨されています。こんな感じですね。

  

  

 

一般的な日本のカーテンの99%はポリエステル製。ポリエステルは伸び縮みが少ないからまだ良いものの、写真の様な麻や、シルク、綿などの自然素材は、ただ掛けておくだけでも伸び縮みするので、季節によって丈が変わります

  

基本的にカーテンの丈は、夏に長くなって冬に短くなります。湿度によって変わるんですね。それが自然素材の場合は、化繊より多く吸放出をするので、より大きく変化します。

そうやって伸び縮みを繰り返しつつ、綿の場合は穏やかに縮んでいく傾向にあるし、麻は伸びていく傾向にあるし、シルクは強烈に縮んでいきます。もちろん例外もありますが・・・。

  

だから初めの写真なんかは麻なので、おそらく床に付く位は伸びているはずです。

じゃあどうすれば良いかというと、一番良いのは初めから引きずって作る方法。これはヨーロッパではわりと一般的で、最近では日本でも増えつつあります。ゆったりしてかっこいいしね。

  

  

ちなみに、こうやって裾を床に付ける事を「ブレイク」と言います。いろいろな呼称があるのだけど、ボクはこの「ブレイク」を使ってます。ファッションでパンツの裾が靴の甲に付いて折れる長さで作る事を「ワンブレイク」、ちょこっと折れる長さを「ハーフブレイク」なんて言いますが、それが由来です。

  


じゃあどれくらい長く作れば良いか、これは生地の質にもよるし狙うデザインにもよります。上の写真の場合は、麻+レーヨンの非常にしなやかな生地で、長さはプラス7cm。で、こんな感じです。

  

次回は、いろいろなブレイクの事例を紹介しますね。