椅子の張りかえのお話のついでに、今ヨーロッパを中心に世界でダントツで1番人気の椅子張り地、「ブークレ」をご紹介します。
「ブークレ」というのはフランス語なのだけど、英語だと「loop yarn」、日本語だと「リング糸」と言って、リングが連なった様にクルクルと立体的に膨れた糸の事を言います。その糸で織った生地の事を一般的に「ブークレ」って言うのだけど、これがヨーロッパの椅子張り市場では大人気なんです。向こうのデザイナーたちは、口を揃えて「張り地はブークレ以外に考えられない」って言っている程。ヨーロッパの展示会を回っていると、椅子張りは半分くらいブークレなんじゃない?って思う程圧倒的。
上の写真は今年のパリの展示会、メゾン・エ・オブジェの1コマですが、他にも、
展示されている椅子の張り地はブークレが多く、その多くは白。ソファだけでなく、ダイニングチェアやスツールなど、色々な椅子に張られています。
生地のブランドのショールームでも、ほとんどのブランドから発売されている程で、
色数もたくさんあるし・・・、
多色の糸をミックスさせたり、ニュアンスのバリエーションも増えています。
日本ではまだまだあまり広まっていないですが、その要因の一つに、「汚れそう」とか、「お手入れが大変そう」と言った心理がはたらいているのではないかと思うのですが、そりゃそう思いますよね~。特に真っ白のブークレなんて、ボクだって躊躇しちゃいます。
でもね、安心してください。スペインの「アクアクリーン」というブランドからブークレが発売されました。アクアクリーンは、ナノテクノロジーで糸の中まで汚れが入り込まないので、汚れてしまっても水を付けたスポンジや濡れたタオルで擦るだけで落ちてしまいます。普通の撥水と違い、その効果は半永久的だし、フッ素やテフロンを使わないので環境にも優しいんです。
それなら安心じゃないですか?
って事で、早速都内のお客様の椅子張りを作らせて頂きました。
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こちらはB&Bイタリアのソファで、カバリング仕様になっているので、今回はカバーだけお預かりして型取りをして製作。前回もお話ししたけど、新品だとこんな生地を選べないので、これもまた新品以上という事ですね。
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ブークレは素材自体がモチモチしているので、すごく気持ちが良いんですよ~。それで皆ドハマりしちゃうんですね。
ヨーロッパではブークレをカーテンにも使われていて、見た目の柔らかさと重厚感もあるし、吸音効果や断熱効果などの機能性も高い素材。
椅子張りにもカーテンにも、ご興味のある方はぜひ選択肢に加えてみてくださいね。
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