【第2話】ハイムテキスタイル-その1

  

世界のファブリックス・メーカーが集まる展示会、フランクフルトのハイムテキスタイル。ヨーロッパに毎年来る最大の目的は、ここで発表されるトレンド情報です。6人のトレンドセッターが毎年1年かけてリサーチと議論を重ね、ここで発表されるトレンド情報。これは昔の様に商業目的のために恣意的に作られるのではなくて、今起こっている技術革新や消費動向の変化などをリサーチして、じゃ、これからどんなデザインが人々に求められるのか、という事が発表されます。

   

今年のメインテーマは「WHERE I BELONG」。自分はどこに属するか、アイデンティティのあり方がメインテーマになっています。

   

トレンドホールの正面

その年その年でメインとなるテーマがありますが、それはデジタルプリンターや3Dプリンターみたいな技術革新だったり、リーマンショックの様な経済問題だったり、SNSの普及による消費者動向の変化だったり、世界的な大きい出来事に基づいている事が多く、サブテーマが5~6個あっても、その中でその年の核となるテーマが存在します。

  

今年はこのメインテーマそのものが「核」になるのですが、サブテーマの中では、強いて挙げると「MULTI-LOCAL」が核になると見ています。

  

今年は技術革新でも経済問題でもなく、「消費者動向の大きな変化がデザインに変化をもたらす」、という事が裏のテーマにあって、それが核になっているように思うのだけど、どういうことか、超簡単にわかりやすく解説しますね。

   

世界中の人々がネットでつながっている今の時代、自分のアイデンティティ、要するに自分は何者であるのかという問に対して、今までなら国籍や年齢、職業、性別などが答えになっていたのだけど、それに代わって思想や趣味、理念や目的など、同じ価値観を持つ者同士がつながってコミュニティを築き、それがアイデンティティになっている。特にミレニアム世代以降はその傾向が強く、それによってもはや国境が薄れているよね、という事。

例を挙げれば、ビーガンとかベジタリアンもそうだし、LGBT(セクシャルマイノリティ)もそうだし、エシカル志向だったり、○○マニアというのもそう。

それらはもはや国籍よりも上位に来つつあるから、デザインのあり方やプロセスも変わっていきますよ~、なんですね。

  

じゃ、どんなデザインなんだ、という事はこれから分析を進めます。一日目のボクの感想はそれくらいで。

  

今日はセミナーを受けたり、プレスツアーで解説を聞いたりしたのがメインだったけど・・・、

  

所々でシャンパンを飲みつつ、サンプルの買い付けも少々。

  

夜はいつもお世話になっている繊維会社の人たちと8人で、中央駅近くの中華に。

ここ、めちゃくちゃ美味しい!たぶんヨーロッパで食べた中華の中でトップクラス。値段は安いからサービスはいまいちだけど。

昔フランクフルトに住んでいたという四国の問屋さん、(株)森熊の大塚さんにもばったり会ったのだけど、この店がお気に入りで20年以上通っているのだとか。

初めて来たボクらは一皿の量がわからず、ついついたのみすぎてしまってお腹がパンパン!正月太りを気にしていたのに・・・。

でも、楽しい夜でした。

  

夜の中央駅は久々だけど、昔に比べて荒っぽさがなくなって、きれいな街になってました。

    

時差ボケもあって、強烈に眠い!今日は早く寝ますzzz