レースカーテンをカーテンに仕立てる時、通常のドレープカーテンと同じ様な三ッ山とかフラットスタイルなどの他に、レースならではの仕立て方が色々とあります。
今回はそのバリエーションとそれぞれの特徴などを紹介していきます。
1.ペンシルギャザー
これはドレープでも使う手法ですが、ギャザーテープを縫い付けてヒモで引っ張って縮める事でヒダを作る手法です。一定したヒダにならずにファジーなヒダになるのが特徴です。ヒダの倍率は使うギャザーテープが元々何倍ヒダで作る様に出来ているのか、によりますが、一般的には2.5倍ヒダが多いです。
ボクの場合は2倍ヒダ位で作る事が多いので、その時はギャザーが余ってヒダが動いてしまうので、所々縫い留めて固定しています。
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ギャザーの上に生地を余らせてそこを遊ばせる事で、よりファジーな印象を演出できます。
ちなみにこちらは麻のカラーレースを使用しています。
2.ルーズトップ
トップの部分に芯地を入れずに、小さくつまんで、いわゆる「のの字」と呼ばれる小さなフックを差し込むスタイル。ルーズに感じでたるむので、抜け感を出したい時に使う手法です。
丈の長さは当然一定にならないので、裾は必ず引きずるスタイルにします。もちろん通常は入れる重りも入れないし、折り返しも小さくします。
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トップの部分をアップにするとこんな感じになります。
3.細三巻
これは一見すると普通のレースカーテンを普通に掛けている様に見えますが、良く見ると・・・、
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裾の仕上げを「細三巻」と言って、5mm巾という極細に三巻して縫っています。これはかなり技術がいるし、できる生地とできない生地があるのですが、モダンに見える上に丈夫なのでお勧めです。通常のウエイトロックは意外と弱くて、使っているうちに外れてしまう事があるし、ルンバが当たるとすぐ破れてしまったりします。
こちらの細三巻だったら、ほつれる心配が少なく安心だし、何よりモダンでカッコいいからお勧めです。
生地によっては5mmが出来ずに10mmになりますが、それでもこれはお勧めです。
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ちなみに、サイドも5mmの三巻で、モダンに縫製。
生地はデンマークのクヴァドラ製、ヒダは1タックの1.4倍ヒダで仕立てています。
4.ムーススタイル
普通の2倍ヒダで仕立てたレースの裾の真ん中をたくし上げたスタイル。
「スタイルマグネット」という物があれば簡単にできるので、小窓などにお勧めです。
5.ロッドポケット式
突っ張り棒を使って小窓を飾る「カフェカーテン」の中でも最もポピュラーな「ロッドポケット式」。上部を袋状に縫ってポールを通すだけなので、安価で簡単だし、見た目も奇麗なので小窓には凄くお勧めです。
上の画像は階段ホールの小窓ですが、透け感の調整の為にレースを二重にしてますが、それによって透け感を抑えられるのと同時に断熱効果も生まれて機能的です。
基本的には2倍ヒダ(窓枠の巾の2倍の大きさで作ってヒダを寄せる)か、2.5倍ヒダ位がお勧めです。
6.出窓のオリジナルスタイル
最近は少なくなりましたが、以前は多くの戸建て住宅に出窓があって、そこにマクラメやフリルが付いたレースを良く掛けたものでした。裾をアーチにしたり、スカラップにしたり、今でも国産カーテンメーカーのカタログには、その様な仕様が出ています。
ボクもお客様に求められればその様な仕立てをしますが(10年位やってないかも?)、できれば新しいスタイルを提案させて頂きたいです。(もしくは何もしないでストレートに仕上げるのもアリ)
その一つが上の画像です。有機的な形で切り出した4枚の無地のボイルレースの裾に黒いメローロックを施して、重ねて縫い合わせてギャザーで仕上げています。メラメラと遊ぶランダムさが、クラゲの様な浮遊感を感じさせてくれます。
まだまだレースの話は続くので、定期的にチェックしてみてください!
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