今回は、「歴史と成り立ちが違う」という視点でお話しします。日本のメーカーさんには超辛口に聞こえちゃうけど、これがボクの本音。怒らないでくださいね(笑)
まずそもそも、日本は長年和室で生活していて、窓を覆うのは目隠しの為に障子が使われていましたね。
障子はあくまでも「建材」で、建物の一部として目隠しの為の道具、という使われ方をしていました。だから、破れたり汚れたりしたら取りかえる(貼りかえる)けど、色を変えてみようとか、柄を変えてみようとか、ファッションとしての要素はほとんど無かった。
この思想って、いまだに日本のカーテン業界には残っているんですよ~。
だから丈夫で長持ち、伸び縮みしないで家庭で洗える、というカーテンが良しとされています。カーテンが日本の一般カーテンに普及したのって、せいぜい60年位前から。まだまだカーテンを使い始めたばかりの日本では、いまだに「建材」という位置づけをされちゃっているんですね。「ファッション」や「装飾」として、何百年も前から歴史を積み重ねてきたヨーロッパのカーテン文化とは全然違うんです。
ここまでは良く聞く話だと思うのだけど、もう一つ大きな違いがあるんです。
和服(着物)って基本的に平面的な布。だから収納する時は奇麗に折り畳んで桐のひきだしにしまうのが一般的ですよね。
それに対して洋服は立体的に仕立てられた物。収納する時はハンガーにか掛けて吊るしますね。
この差が大きくて・・・、
だから日本人は「織り」とか「染め」とかに執着して、平面的な布地の良さを重視します。
それに対して、実際に吊るした時のドレープ性は二の次になってしまう。
だからガシガシに織った生地に無理やり形状記憶加工を施して、ウェーブを人工的に付ける事がいつの間にか一般的になりました。今では量販店も同じだし~。
それに対してヨーロッパでは吊るした時のドレープ性を重視している物が多くあります。
こうやって奇麗にストンって落ちるドレープ性を「落ち感」なんて言うのだけど、素敵じゃないですか?この感覚が国産にはほとんど無いんですよ。(例外はあるけど)
だからボクは少しくらい高くても、多少仕入れが面倒でも、落ち感の良い生地を選んじゃう。日本のメーカーさんにもわかってもらいたいけど、数字(売上)ありきだから、先ずは全国の専門店の方々やコーディネーターの方々、一般の方々に理解してもらって、そっちを選んで欲しいんです。で、そうなったらメーカーさんも変わらざるを得なくなって・・・。
そうなって欲しいものです。
という事で、そんな背景があるから海外のカーテンと日本のカーテンの違いが生まれてくるんですね。
まだまだいろいろな違いがあるので、それはまた次回お話しします!
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