今回は、インテリアのカラースキーム(色彩計画)を考える上で、一番初めに考えなくてはならない事は何だ?というお話です。
「色彩計画」というと、「何色がいいかな?」って、いわゆる「色相」を初めに考えがちだけど、一番大事なのは「トーン」なんです。
「トーン」とは、色の「明度」(明るい⇔暗い)と「彩度」(鮮やか⇔淡い)を組み合わせたもので、ハイトーン⇔ロートーンのどの辺りに位置するか、どこに合わせるか、どこを狙うか、とても重要です。
って言うと難しく感じちゃうかもしれないけど、要は「パキっと鮮やか」とか、「ナチュラルで落ち着いた感じ」とか、そんなものです。
例を挙げるとわかりやすいのだけど、ハイトーンの典型は・・・、
子供部屋。子供部屋にある物、特におもちゃは大抵原色が使われていて、色相も色々。ビビットな色だらけですよね?
反対にロートーンの典型は・・・、
和室です。
簡単ですよね?
で、肝心なカラースキーム(色彩計画)を考える時にどうすれば良いのかと言うと、この「トーン」を意識する、というのが第一段階。そのお部屋全体のトーンを把握します。
第二段階は、トーンを合わせるか外すか、を考えます。もしトーンを合わせるなら色(色相)をずらし、トーンを外すなら色(色相)を合わせます。両方合わせても良いのだけど、 平凡すぎたり退屈になったりするから、その時は柄など別の方法で変化をつける必要が出てきます。それでオシャレな部屋を作るのは、逆に上級テクニックが必要になっちゃうんですよ~。
「トーン・イン・トーン」とか「トーン・オン・ト―ン」って言葉、聞いたことありますよね?それです、それ。
「トーン・イン・トーン」がトーンを合わせて色を変える方で、「トーン・オン・ト―ン」がトーンをずらして色を合わせる方です。
どっちかに当てはめれば、色選びに失敗する事はまずありません。
次のステップとして、複合的要素の例を挙げると・・・、
艶々な内装材は、正確には「輝度」なんだけど、これもハイトーンと考えてOKです。ハイトーンで合わせても良いのだけど、少し落ち着かせたかったら、ピッタリ合うトーンから少し引けば良いんです。
ただ、あまり引きすぎると汚く見えたりするから、さじ加減は必要になるけど、ベースのトーンを把握していれば大丈夫。
上の写真は我が家の玄関ですが、玄関だったら思い切ってハイトーンでまとめても疲れないですよね?だからここは引かずにハイトーンでまとめてます。
反対に、無垢の木や漆喰などはロートーン。カーテンなどを合わせる時は、ロートーンをベースに、好みに応じて上げ下げすればOK。
例外もあるのだけど、それは「ログハウス」です。これはログハウスのコーディネートを得意としている著名なコーディネーターで、友人でもあるマノワの渡邉明美さんに教わったのだけど、ログハウスは木が色を食ってしまうから、強めの色でないと奇麗に見えないのだとか。
確かに、あそこまで木が多いとそうなりますよね。さすが、山中湖でコーディネーターをしていて、ログハウスのコーディネートを沢山経験されているだけあって、説得力があります。
ログハウスの事例はマノワのHPに沢山あるので、そちらもご覧ください。
いずれにしても、先ずはベースとなるトーンを把握して、そこから好みや狙いに合わせて調整していく、そのプロセスこそが大切なんですよ~。
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