バランスのデザインカットって何だ?

輸入カーテンのバランス

    

カーテンの上部に付ける飾りを「バランス(上飾り)」って言うのだけど、その中でも平らな芯地に生地を貼り付けて、縫いくるんで作る物を「フラットバランス」って言い、上の写真もそれです。
比較的安価で取り付けも簡単。それでいてデザインの自由度は結構高いんですよ~。

      

今回はその中でも「デザインカット」について紹介します。

    

フラットバランスは、裾のカッティングのデザイン次第で大きく印象が変わるのだけど、それ次第でモダンにもクラシックにもアレンジができちゃいます。
上の写真はクラシックスタイルとしては割とスタンダードなデザインですが、そうは言ってもこのカーブの描き方にデザイナーの個性が出て、それぞれ微妙に違ってきます。

これはもちろんボクがデザインした物なのだけど、他の人がデザインした似たようなデザインのバランスを見ても、「美しいな~」って思う物もある一方で、「何だかわからないけど古臭いな~」っていう物もあるし、「ダサっ!」って思うラインの描き方もあります。反対にそういう人がボクのデザインを見るとそう思うのかもしれないですね。

   

要は感覚の問題なんですね。

  

ちなみに上の例は、比較的緩めのカーブと中央の巾を狭めにする事で、クラシックスタイルの中では比較的軽やかに演出してます。使っている生地はトレンドのマイクロファイバー(ドイツのチマー&ロード製)、アクセントにブレードテープを縁から少しオフセットして付けています。

   

モダンでちょっとアグレッシブなスタイルがお好みの方には、こんなカッティングもあります。

   

シンプルなスタイリッシュモダンならこんな感じで。
ちなみにこれだけ幅の広い、緩~いカーブって、デザイン画を描くのも難しいんですよ。「カーブ定規」っていう物が絶対に必要なんです。

    

ボクが普段使っている道具はこんな感じ。右端のがそのカーブ定規ってヤツです。デザイン画に関しては、また別の機会に紹介しますね。

    

でも一つ言っておきたいのは、デザイン画を忠実に再現して縫製して作るのはもっとずっと大変です。その辺りは縫製工場の高いスキルと経験値が物を言いますが、そういったパートナーの高い技術のおかげなんですよ~。

    

これはエレガンス・モダンスタイル。基本のラインはほとんど同じだけど、左右と中央の高さの差を多きく付けて、太めのブレードテープを付けてます。

    

ちょっとした応用としては・・・、

    

別の色で縁取りをして・・・、

   

境目にパイピンでアクセントを入れています。

    

その他の例としてはえ・・・、

   

全体をカーブさせて、「パフ」と言って、生地をクシュっと縮めてそれを縁に付けた物。ビビットなグリーンのベルベットとブラックのパフの色の対比は、エモーショナルを狙った配色です。

    

こちらはキッチンの入り口なのだけど、アミューズメントパークをイメージしてデザインしました。
ちなみに「フラット芯」と言って、中に入っている芯地は大きさに限りがあって、これだけ大きい芯地は当然無いので、中でジョイントしています。

    

あとは、カッティングのライン自体にテーマ性を持たせる事も、よくやる手法です。
この辺りは、ボクは割と得意としている所なのだけど、上の写真はハート型の上半分をラインを中央に入れています。一人暮らしの女性のお部屋という事で、女性らしさを演出しました。

   

こちらは「擬宝珠(ギボシ)」をデザインに取り入れて、西洋と東洋をミックスするスタイルに。擬宝珠って言うのは、神社仏閣の装飾に使われている物ですが、有名なところで言うと、日本武道館の屋根の上にある「大きな玉ねぎ」。

    

このラインを取り入れました。

もちろんお客様には事前に、「宗教的に大丈夫ですか?」という事と、「サンプラザ中野は嫌いじゃないですか」という確認を取ってからデザインしてますw。

    

という事で今回はフラットバランスのデザインカットについて、ほんの一部ですが紹介しましたけど、更に、複合的なデザインが色々とあるんですよ~。

次回から少しずつ紹介していきますね。

    

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