ヘム加工-テクニック編

麻の輸入カーテン

    

前回ご紹介したカーテンの縁取り、「ヘム加工」。まだ読んでない方は、まず前回の「カーテンの縁取り」をご覧ください。

  

今回はどうやって作っているのか、具体的な手法を紹介しまーす。

  

大きく分けて3通りあるのですが、先ずは最もオーソドックス、というより正式な作り方から。

  

輸入カーテンのヘム加工

一番端のヒダの外側に縁取りを付けるのですが、これで大体8cmの巾があるんですね。ただ縁を付けるだけだと端っこが垂れ下がってきちゃうので・・・、

   

赤い輸入カーテン

後ろ側にフックを付ける必要があります。本来は「ピンフック」って言って、どこでもプスッっと挿せるフックを生地に挿してランナーに引っ掛けるのだけど、どうもあれが痛そうだし、長く使っていると穴がボソボソになるのが嫌なので、ボクはこうやってフラットカーテン用の芯地を縫い付けてフックを付けてもらっています。

   

それともう一つポイントがあって、ヘム(縁)の部分は、「フルターン」って言って生地が後ろ側まで回り込んでいます。そうする事で見た目も奇麗だし、しっかりするのですが、そのフルターンにもバリエーションがあるんですよ~。

下の絵は、ヘムの部分の断面図のイメージで、右側がヘムの部分、左側がメインの生地。メインの生地がヘムのどこまで入っているかで、ヘムのしっかり感が変わってくるのだけど、「加え込み」と「飲み込み」って呼んで区別しています。

   

薄かったり柔らかかったりする生地をヘムに使う場合は「飲み込み」にしないと、シャキッとしないし、地厚で重い生地で「飲み込み」にしちゃうと、ボッテリし過ぎちゃうので、使う生地によって使い分けています。

   

引いた画像はこんな感じ。ちなみにこのヘムの生地はかなりしっかりしているので、「加え込み」で作ってます。

    

先ほどのはクラシックスタイルでしたが、モダンでも使える手法です。こちらはしなやかな生地なので、「飲み込み」で作っています。あとの手法は全く同じ。

    

もしこのヘムの巾を細くするのであれば、フックを付けなくても垂れないのでそのままジョイントするだけでOKなんです。

   

前回紹介したこの例がまさにそれで、こちらは4cm巾。生地にもよるけど、フックを付けずに垂れないのは、これ位が限界かな~。

    

ちなみにこれは、フルターンさせずにジョイントしているだけなので、コストも抑えられています。フルターンだと加工費が高くなっちゃうんですよ~。

    

仕上がりはこんな感じですね。4cm巾もキリっとしていてモダンで良い感じですね。

   

これはまた別の手法で、単純にジョイントしているだけ。
こうやって引いてみるとわからないけど、アップにすると・・・、

   

ジョイントした先にも普通にヒダを取っているのがわかりますね。ヒダを取るとヘムがつぶれるので、巾を広めにとる必要が出てきますが、この様な1タックだったらあまり潰れないので、そんなに違わないかも?
これが3つ山の2倍ヒダとかだったら、かなり広く取っておかないと、ヘムが目立たなくなってしまいます。

   

ヘム加工の手法、大ざっぱに分けるとこんな感じです。生地の風合いや狙うテイスト、コストとのバランスなどで使い分けているんですよ~。

こういった「デザインカーテン」は、いわゆる量販店なんかではやってないし、メーカーに丸投げだったりするときちんと使い分けられなかったりするので、窓装飾プランナーやデコレーターに依頼するようにしてくださいね。

    

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