レースカーテンは、窓の向きや大きさなどのシチュエーションによって、お勧めするデザインや機能が変わります。一般的な「日差しが強いからUVカット」とか、「視線が気になるからミラーレース」みたいな当たり前のお勧めはここでは割愛して、一歩進んだプロからのご提案です。
実際にボクが手掛けた施工例を元に解説しますね。
1.レースの一重吊り
先ずは上の画像、ローマンシェードを一重吊りにしたリビングです。
外からの視線が気にならない所なのと、シンプルに見せたいという事でレースのシェードを一重吊りに、更にモダンな印象を与えてくれるシャープシェードを選択。景観を楽しみたいというロケーションでは無いので、少し地厚な生地にしています。
なぜ地厚が良いかと言うと、夜の窓ガラスは真っ黒だから、それをある程度隠す必要があるんですね。
それと、シャープシェードは洗濯するのが面倒なので、洗濯の必要がほとんどない麻の素材がベストです。素材によるメンテナンス性の違いは、こちらをご覧ください。
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カーテンの場合も同様で、外が真っ暗になっても寒々しく、暗く見えない生地が好ましいです。
こちらはウイリアムモリスの人気柄、「イチゴドロボウ」を刺繍で描いた麻のレースです。柄を生かす為にも1タックで仕立てています。
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有機的なフォルムが印象的な、スウェーデンのキナサン社のレース。こちらはフラットスタイルで仕立てています。
日中でも暗く見えない白っぽい色、それでいて夜もガラスの黒さを隠せる厚さ、その辺りのさじ加減が重要です。
もちろんデザインが一番大切なのは、言うまでも無いですね。
2.マンションのバルコニーに面した窓
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日本のマンションでよくあるケースで、「バルコニーの柵を隠したいけど、遠くの景色は見たい」というシチュエーション。柄が下の方に集中して入り、上部が無地で抜けているデザインがベストマッチです。
こちらはスイスのクリエーションバウマンのプリントレースをプレーンシェードで仕立てた例。
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グラデーションのレースも同じくお勧め。こちらは海を感じさせるマリンブルーのグラデーション。
3.吹き抜けの大きな窓のレースカーテン
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吹き抜けの大きな窓にレースカーテンを一重吊りで掛ける時は、少し難しい点があります。
多くのレースカーテンは、生地が3m巾の横取りなので、巾は何mあってもジョイント無しで作れますが、丈は上下の折り返し分を引くと、最大でも2.7mまでしかジョイント無しでは作れません。無地なら生地を横向きに使えば問題無いけど、柄の場合は横向きに使っても問題無い柄を選ぶ必要があります。
こちらはシンプルモダンな幾何学柄で、柄の向きも問題無いし、目隠ししつつ光も取り入れられるデザインで、アップにすると・・・、
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レーザーカットされた生地がベースの生地に縫い付けられた、とてもテクニカルな生地なんです。
4.北側の窓のレースカーテン
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マンションの北側の窓などは、寒々しいし暗いし。しかも北側の部屋が子供部屋になるケースも多いですよね?
できるだけ明るく楽しく飾ってあげたい物です。
そんな時のレースカーテンは、明るい色のカラーレースがお勧め!
5.階段や玄関の小窓に二重のレースカーテン
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こちらは前にもご紹介した事例ですが、北側に配置される事が多い階段は、暗くて寒くなりがち。
先ずは色で明るく見せてあげるのと・・・、
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上部をアップにするとわかりますが、二重に仕立てています。これによって生地と生地の間に空気の層が出来て、レースでありながらも断熱効果が生まれて、物理的にも暖かくなります。
より効果が高いのは、「スパンボイル」と言って、毛羽立った糸で織られたレース。生地の目を毛羽が埋めてくれるので、つるっとしたボイルレースより高い断熱効果が期待できます。
6.カラーレースで雰囲気づくり
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カラーレースは光の色を変えるので、お部屋の雰囲気を大きく変えてくれます。
上の事例は、ミルクティー色の上質なレースカーテンを使ったリビングダイニング。カフェの様な、優しくて落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
ただこれは、生地の質の良し悪しがハッキリ出るので、ある程度コストを掛けて良い生地をセレクトする必要があります。
このしなやかな「落ち感」が重要で、安物のゴワっとしていたりパリパリした生地では台無しになるので、注意が必要です。
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こちらもカラーレースの一重吊りで雰囲気づくりをしたリビングルーム。ダークグレーでモダンな上質感を演出しました。
今回は以上になります。
まだまだレースの話は続くので、定期的にチェックしてみてください!
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