フラットバランスの応用編-その1

子供部屋の輸入カーテン

     

前回ご紹介したフラットバランス。固い芯地を布で縫いくるんでマジックテープを縫い付けて取り付ける物ですが、ボトムのカッティングだけでも様々な表現ができて、デザイン的に便利なアイテムです。
まだ前回の生地をご覧になっていない方は、先ずそちらをご覧ください。

「バランスのデザインカットって何だ?」はこちらから

   

今回は2枚以上のフラットバランスを組み合わせて作ったバランス(上飾り)の事例を紹介します。

    

デザイナーズギルドの輸入カーテン

初めにご紹介するのはこちら。幅が広くて一か所折れ曲がっていて、しかも両サイドの壁に隙間なくピッタリの巾で作らなければならないというシチュエーション。これをピッタリ作るなんて、ほぼ不可能なんです・・・。

  

カーテンの上飾り

そこで、両サイドにこうやって重なる部分を作る事り、微妙な巾の誤差を吸収するようにします。機能的に組み合わせる必要があるから重ねているのですが、もちろんオシャレになる様にデザインします。

    

赤い輸入カーテン

こちらも誤差を吸収する機能とデザインを両立させたスタイル。

   

キファソの緑のカーテン

こんな風に組み合わせる事もあります。1窓に対して3枚組み合わせていますが、それぞれをバイアステープで縁取る事で、そのラインがアクセントになってくれます。

  

ザハハディドの様なデザイン

こちらの場合は、全体を3枚で構成。左右の1枚ずつは独立していて、センターは長い1枚で作っていますが、これもまた誤差を吸収する為に左右だけ重ねて、センターのメインは1枚で作っているけど分かれている様にも見える様にラインを乗せています。
エステサロンの入り口で、残念ながら引いた写真が撮れなかったので、ご提案の時に使った絵を紹介しますね。

   

インテリアデザイン画

建築家、ザハ・ハディドのデザインにインスパイアーされて、この有機的なデザインに至ったのだけど、フラットバランス特有の製作上の制約もあって、なかなかデザインに苦労したんですよ~。

    

ミッドセンチュリーなカーテンのデザイン

ミッドセンチュリーをイメージしたでざいん。ブラインドと組み合わせて、2枚を重ねる形です。

   

エルメスの様なカーテンのデザイン

こちらは大きな1枚の真ん中に、エンブレム的にもう1枚重ねた形です。生地が革をイメージしたジャカード織りなので、革と言えば馬具という事で馬車の手綱をイメージしてデザインしました。
デザインしていく中で、中央に何かエンブレム的な物が欲しいな~、と想いを巡らせていた所、馬具、馬と言えばフェラーリだな~、という事でフェラーリのエンブレムをイメージした形を採用しました。

   

こうやって、何かしらのきっかけを見つけて、それを増幅したり、引用して変化させたりしながら、最終的にその窓に合う様に調整をしていくのがボクのデザインスタイル。

   

子供部屋の輸入カーテン

こちらは2人のお嬢様が主に使うという洗面室。「アリス・イン・ワンダーランド」のイメージから、全体を王冠に見立てたフォルムにかたどった上で、裾にダイヤ、スペード、ハートのカッティングを施し、その向こうにもう一枚重ねて白黒のストライプ張り、それが覗き見えるようにしました。

     

子供部屋の輸入カーテン

陽があまり当たらないお部屋だったので、明るくしたいという子供部屋です。壁紙とカーテンでとびきりポップな子供部屋に仕立てました。

バランスは2枚を組み合わせた形で、カーテンの柄の中にあるハイヒールのラインをバランスのデザインの都合に合わせて変化させたもの。

左の柱だけをパープルにするのはお嬢様からのリクエストで、それに合わせてバランスの大きい方の縁にピンクパープルの縁を付け、小さい方の縁にはパープルのガラスビーズのトリムを付けてリンクさせています。

こうやってぱっと見バラバラな様でも、デザイン的にしっかり成立させるには、この「引っかかり/リンク」を上手に使う事が大切です。

   

次回はフラットバランスの応用編のパート2として、フラットバランスとプリーツ系の組み合わせなど、更に特殊な組み合わせをご紹介します。

    

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